空き家問題とその活用

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近年、社会問題の一つとして、メディアなどでも大きく取り上げられている「空き家」問題。私たちの地域にも「空き家」は発生しており、その管理や活用についても問題視されています。現在、私たちや親、祖父母が住んでいる住宅についても同様に「空き家」になる可能性が…。私たちが暮らす町を守るために、今から「空き家」問題について考えてみませんか。

町の空き家状況は

「鷹栖町では、平成25年度から実態調査を実施し、空き家の状況把握に努めています。
実態調査の結果では、平成29年度の137軒が最も多く、以降は微減傾向。令和2年3月には、124軒となりました。
中古物件の情報をホームページ上で公開する「空き家バンク」による流動化や各種支援による移住者の増加などが微減となった要因と考えられています。
また、平成28年度に空き家バンクをリニューアルして以降、居住するために空き家を改修した経費の一部を補助する「空き家改修支援事業補助金」の活用件数も約3倍になり、空き家の活用に関心が寄せられていることが分かります。

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空き家を問題にしないために

「空き家」は、「空き家」自体に問題があるのではなく、「適正に管理されない」ことに問題があります。
鷹栖町では、町内の空き家の所有者に対し、「空き家に関する意向調査」を年に1回実施しています。
この調査は、空き家に対する関心を高めることや、定期的に所有者との関わりを持つことで、意向に沿った支援を行うことを目的としています。
令和元年度は93名に調査票を送付し、41名から回答がありました。
回答結果からは、売却や賃貸、解体を希望する方が多いものの、解体費用や利用希望者がいないなどの悩みを抱えていることが分かります。(下図)
町では、それぞれの回答に応じて、空き家改修支援事業補助金や空き家バンク制度の紹介、仲介不動産業者のあっせんなどを実施し、継続して所有者からの相談に対応できる関係づくりを進めています。

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空き家と共に夢を叶える

空き家の活用方法はその人さまざま。ご自身の夢を空き家で叶えた4名の方を紹介します。皆さんは、どのような空き家の活用方法を選びますか?

家づくりから始まる起業に向けた夢

加藤 瑛瑠(エル) さん

・加藤 瑛瑠(エル) さん

・令和2年3月、おといねっぷ美術工芸高校を卒業。北成地区の空き家を借り、祖父と共にリノベーションしている。

「リノベーションはものづくりと同じ、趣味の一つ」と話す加藤さん。
「ものづくり」に興味を持ったのは小学生の時で、中央地区の古民家を家族と共に、リノベーションしたことがきっかけでした。
おといねっぷ美術工芸高校に在学している時から、「高校卒業後は空き家をリノベーションし、工房やギャラリーとして活用したい」と考えていた加藤さん。
高校3年生の夏に、北成地区の地域の方から、「空き家を解体しようか迷っている」と聞き、内覧。即決したと教えてくれました。
床の張り替えや岩風呂作り、照明の設置など、一つ一つ作業を進め、「思い」を「形」にしているそう。
「自分の好きなことに取り組みながら、工芸家としての活動をPRしていきたい」と話し、リノベーションの様子を自身のSNSで発信しています。
コンセプトは「作っていく過程も楽しんでもらう」。
「『ここが変わったみたいだから行ってみよう』と感じ、建物全体を楽しんでほしいです」と笑顔を見せました。
完成後は、イベントや飲食スペースとしても活用していきたいと大きな夢を語ってくれました。

夢を形に自分たちで手掛けたマイホーム

湯本 殉輝さん 明さん

・湯本 殉輝さん 明さん

・地域の人から空き家を購入し、町補助金を活用。壁を抜き、部屋を広くするなど、自分の好きなように家をデザインした。

令和2年9月に北野地区から中央地区へと住まいを移した湯本さん。
北野地区の中古物件には、賃貸で7年間住んでいました。2人目の子どもが産まれ、「より住みやすいように家を改修しながら、暮らしを楽しみたい」との思いから転居を検討し始めたそうです。
もともと農村部での暮らしに憧れており、「地域の人や景色がとても魅力的。実家や職場が近い中央や北斗地区で中古物件を探していました」と話します。
空き家バンクの活用、町への相談などもしていましたが、なかなか良い物件に巡り合えませんでした。 空き家が見つかったのは
今年の春。「中央地区の空き家で、売買を希望する方がいると連絡があり、ようやく夢のマイホームを購入することができました」と教えてくれました。
購入後は、町の空き家改修支援事業補助金を活用し、壁や床の張替えやトイレの交換などを実施。
「補助制度のおかげで、金銭的な負担がとても少なく、転居に踏み切れました。
古さも感じず、住み心地もとても良いです」と笑顔を見せます。
今後は、広い庭を活用し、畑やガーデニングをしたいと話してくれました

空き家を「資源」に

さまざまな利活用の方法がある空き家は、大切な地域の「資源」です。
町では、地域や関係団体と連携し、空き家の早期把握に努めています。
また、将来に備えて早期から空き家問題について関心を高めてもらえるよう、司法書士による講演会の開催などの啓発活動も行っています。

空き家・空き地見守り確認プラン

空き家所有者が、高齢化や遠方に住んでいるなどの理由で、適正な管理が困難な場合、基礎知識を持つ町内事業者に見守りを依頼することができます。

空き家を生かしたまちづくり

全国的にも人口減少と高齢化が進んでおり、空き家はさらに増加していくと考えられています。
対策を実施しなければ、空き家は負の財産に。将来の負担を減らすためにも、今、予防活動に取り組んでいくことが重要です。
空き家問題は、決して他人事ではありません。私たちの財産である「マイホーム」。親や祖父母の住宅について、家族で話し合ってみてください。

空き家を選択肢の一つに

空き家は、購入やリノベーションにかかる費用を安く抑えながら、それぞれのライフスタイルや好みに合わせて改修できることも魅力のひとつ。
町では、空き家改修支援事業補助金などの支援体制が充実しており、住まいの新たな選択肢の一つとして、注目が集まっています。
町内における、空き家の成約件数と新築軒数を見ても、近年はほぼ同数となっており、空き家の需要が高まっていることが分かります(下グラフ)。
一戸建て住宅の購入を検討されている方には、ぜひ、空き家を選択肢のひとつにしていただければと思います。
皆さんの多様なニーズにお応えできるよう、引き続き、町内の空き家情報をしっかりと収集・発信していきます。

グラフ
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