2期目の町政担当に際して

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概要

平成28年12月9日から行われた、第4回鷹栖町議会定例会において、町長が説明しました今後の基本的な考え方をお知らせいたします。

1.はじめに

町長

平成28年第4回鷹栖町議会定例会の開会にあたり、私の2期目の町政担当に際しての基本的な考え方を説明し、町議会議員並びに町民の皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。

「地方創生」や「一億総活躍社会」の実現において、地方が成長の主役となることが強く期待されています。このような地方への期待は、大きな経済・社会の流れの中で論じられていますが、私は、まちづくりの基本は、そこに住む「人」が心豊かに暮らせることだと考えます。

そして、躍動するまちへ向けて、「人財」こそが鷹栖町の未来を切り拓く力であります。

この考えから、「人を大切にしたまちづくり」、「町民の皆さまと躍動するまちづくり」を掲げ、この方針によりまちづくりを進める上で、5つの基本施策を町民の皆さまに約束しました。

  • 地域の“宝”である心豊かな子どもたちの育み
  • 安心・安全な農業の継続と、新たな可能性への挑戦
  • 地域資源の育成や発掘による、産業経済の活性化
  • だれもが安全に安心して暮らせるまちの実現
  • “手と手をつなぐ”協働のまちづくり

第7次鷹栖町総合振興計画もすでに折り返し、私の2期目の任期において、平成32年度からの次期計画を策定します。経験から学び、新しい考え方やより効果的な手法を取り入れながら、「未来への投資」を優先して進め、生涯にわたって安心できるまち「ふるさと鷹栖」の実現に向けて取り組みます。

2.地域の“宝”である心豊かな子どもたちの育み

こどもたち

安心して子どもを生み育てることのできる環境、子どもたちが地域の“宝”として、健やかに心豊かに育ち、将来活躍することのできる環境が求められています。

安心して子どもを生み育てることのできる環境づくりとして、家庭・学校・地域でのふれあいを大切にし、共働き家庭でも安心して子育てできるよう、全国的にも課題となっている待機児童問題にも積極的に取り組み、保育環境等の強化および支援体制を充実させます。これと併せ、2人目以降のお子さんの保育料等を、兄弟の年齢に関係なく助成を行います。

集団生活の場で、発達や成長の遅れが気になる子どもが増加傾向にあるといわれています。しかし、発達や成長の遅れを早期に発見し、必要な療育等を受けることで、就学後の生活の安定につなげることが可能となります。今年度設置した子育て支援相談室を核に、保育園や幼稚園、学校、旭川市こども通園センターや民間団体と連携し、子どもたちが健やかに成長できる環境づくりに取り組みます。

これまで図書館司書を配置し、読書環境の改善を行ってきました。来年度から着工する新しい鷹栖地区住民センターに併設する図書室では、蔵書の数を増やし広さを確保するだけではなく、現在策定中の読書活動推進計画を基に充実した読書環境を創出します。

地域の人材や資源を活用した特色ある学校づくりを進め、引き続き学習支援員を配置し、授業中はもちろん放課後や長期休暇も活用し、学力の定着を図る取り組みを継続します。スポーツ・文化活動を通じての人間形成や、一人ひとりの個性を伸ばす環境の整備を、教育委員会と連携しながら取り組み、地域の“宝”である子どもたちが健やかに、そして心豊かに育つことを、全力で応援します。

3.安心・安全な農業の継続と、新たな可能性への挑戦

いなほ

近年本町においても都市部や海外に目を向けた取り組みが徐々に始まり、「鷹栖ブランド」の確立を重要な課題として位置づけています。自立するたくましい農業経営の確立を支援し、生産者の皆さまと新たな可能性に挑戦します。

昨年度策定した農業ビジョンを基に、力強さと魅力を兼ね備えた農業を目指し、農業基地構想を着実に進め、新規作物や特産農産品を活かした農商工連携に積極的に取り組みます。

また、後継者の育成に取り組むと共に、担い手研修センターを整備し、支援体制を確立することで、新規就農者の確保を戦略的・積極的に進めます。これにより、農業人材の育成を図り、生産性の高い農業を目指します。

今後の産地間競争に勝てる力強い農業づくりのためにも、現在進めている国営緊急農地再編整備事業をはじめ、大規模ほ場の整備に積極的に取り組んでまいります。

4.地域資源の育成や発掘による、産業経済の活性化

店舗

豊かな自然に恵まれた環境は、町民共通の財産です。そして先人が創り守ってきた歴史や文化および産業など、これらの財産を、守るだけではなく、鷹栖町の活性化に向けた地域資源として改めて捉え、町民が愛着と誇りを感じ、町外者が惹きつけられるよう、鷹栖町の魅力として町の内外に発信します。

鷹栖町のブランドトマトジュース「オオカミの桃」をはじめ、町内の農産物や農産加工品は自信をもって提供できる商品であることが、まるごとにっぽん(浅草)やアカレンガカフェ(札幌)でも実証することができました。

一方で、町の外に出て、消費者の声を聞き、他地域の売れている特産品の販売方法などを参考にすることで、多くのことを学び、鷹栖町の特産品には大きな伸び代があることもわかりました。

こうした経験を活かして、消費者の視点から既存の農産物や農産加工品、施設などの地域資源の再点検を行い、その魅力を磨き上げ、育成し、その魅力を最大に発信できる仕組みを構築します。これにより、特産品の販売促進や、交流人口の拡大を目指します。

新たな挑戦には、情報・知識・ノウハウ・コネクションといった武器が必要です。今年10月には、全国初となる北海道銀行・道銀総研との3者による地方創生に向けた包括連携協定を締結しました。こうした連携により、情報・知識などの外部資源を獲得し、鷹栖町の活性化をより強力に推進します。

また、商工会等との連携を最大限に活かして、中小事業所の経営安定や商店街の活性化を推進し、地元での購買力向上を目指します。また、町内の事業者間の連携を進めることで、原材料の生産から製造・販売まで「オール鷹栖」の特産品を安定して生産できる仕組みづくりや、販路拡大のための活動を支援します。

安心して暮らしていくためには、雇用の場が不可欠です。

雇用創出に向けて、工業団地への企業誘致においては、情報収集を強化し、ターゲットを絞って推し進めると共に、小規模事業所や新規開業などの取り組みに、積極的なアプローチを行います。

また、ハローワーク等との連携を進めることなどにより、雇用のマッチングも支援してまいります。

5.だれもが安全に安心して暮らせるまちの実現

サロンの様子

乳幼児期、学童期、青年期、子育て世代から高齢期まで安心して生活できる成熟した地域福祉の実現が目標であり、移住を希望される方も、今、鷹栖町に住んでいる方も、だれもが暮らしやすいライフステージに応じた希望がかなうまちづくりを、鷹栖町版CCRC構想として進めていきます。

鷹栖町は、先人のたゆまぬ努力により築かれた全国でも有数の農業地帯です。しかし、その地位を確立し、守っていく上で、農業を振興すると共に農業を営む方たちの暮らしが安全・安心で、農村地域でのコミュニティに活力があることが不可欠です。残念ですが、全国的な傾向に漏れず、鷹栖町の農村地域も、人口減少や高齢化が進み、コミュニティを維持することが難しくなってきています。

一方で、農村地域であることそのものが地域資源でもあり、そこに魅力を感じる人もいます。鷹栖町の農村地域のコミュニティに共感し、地域のひとたちと共に歩もうという者を、地域おこし協力隊などとして活用し、未来を見据えた活性化対策に取り組みます。また、サロンなどを活用しながらお互い様づくりを積極的に進めます。

住まいに対する希望は、単身期・子育て期・高齢期と、人生の各段階において変わります。こうした希望に応じた住み替えが円滑に進むよう、北野地区のサービス付高齢者向け住宅の整備に支援するほか、空き家の活用に向けた補助制度の運用、空き家・空き地バンクの刷新等に取り組んでまいりました。

今後も、子育てを行っている若い世代が移住しやすいよう、空き家・空き地バンクの活用を図るほか、あらゆる世代が安心して鷹栖町に暮らし続けられるよう、市街地と農村部、それぞれの魅力を生かし、民間事業者との連携による居住空間や居住環境の整備を進めます。

パレットヒルズをはじめ、皆さまに愛される公園の整備充実にも引き続き取り組むと共に、安全・安心の暮らしの基盤である道路整備や除雪など、暮らしを支える身近な生活環境の整備に努め、総合的な防災体制の確立や防災・減災対策など、地域の皆さまと協力しながら取り組みます。

6.“手と手をつなぐ”協働のまちづくり

手をつなぐ老人と子ども

鷹栖町に住む「人」が心豊かに暮らせる環境は、人と人とが温かい心でつながり、協働することから生まれます。そのつながりに行政や地域の事業者など、さまざまな主体がさらにつながり、それぞれの役割を果たしていくことで、地域社会が形作られ、動いていきます。

人を大切にしたまちづくりに向けて、子どもから高齢者まで、人と人とが結びつく地域社会づくりを応援し、町民の皆さまとの協働のまちづくりを推進します。

町民の皆さまが、どのようなまちを目指したいのか、そこがまちづくりのゴールです。町民の皆さまとの結びつきを大切にし、課題や情報の共有に努め、フェイスブックやホームページのみならず、町民の皆さまへの情報発信の強化を行うと共に、皆さまの声を聞かせていただくためのまちづくり懇談会も工夫を凝らし、共に考え共に行動する出発点となるよう努めます。

町内事業所の皆さまや町外の民間企業や金融機関、大学との連携など、民間の活力を最大限に活かす事業にも戦略的に取り組み、未来に引き継ぐまちづくりの基盤強化を進めます。

7. むすび

以上、私の2期目の町政に取り組む基本的な考え方を申し上げました。

明治25年に開村した「鷹栖」は、先人のたゆまぬ努力を礎に、現在では全国でも有数の農業地帯としての地位を確立し、ブランド米「ゆめぴりか」や「ななつぼし」、トマトジュース「オオカミの桃」などの特産品が、高い評価をいただいております。

最近では、PR活動が実を結び、新たな特産品が人気を博し、町内外のイベントにも多くの方々が訪れ、交流人口が増加しています。既存のブランドにはさらなる磨きをかけ、一方で既存のブランドだけに頼るだけではなく、新たな取り組みを創出しながら、未来においても町民の皆さまが活躍できるまちづくりを進めます。

また、健康と福祉のまちづくりが、生涯にわたり安全に安心して暮らせる根幹となります。子育て支援から高齢者福祉、種々の健診事業などを継続して実施するのはもちろんのこと、常に新しい芽を伸ばすことに全力で挑戦しながら、一人ひとりを大切に町民の皆さま全てが心豊かに過ごせる「あったかすなまち」を創ります。

山積した課題の解決には、町民の皆さまの声をまちづくりに反映し、「共に考え、共に目的達成のために行動する」ことが重要です。全身全霊の力を注いで取り組みますので、町議会議員の皆さま、町民の皆さまのご指導、ご協力をお願い申し上げ、町政担当に際しての方針とさせていただきます。

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