新郷土たかす60年の歩み(広報3月号の町長コラム)

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 昭和36年に鷹栖町文化協会が設立され、 翌37年から町の文芸誌として発刊された「文藝鷹栖」が昭和62年に「新郷土たかす」と改題され、以降も毎年刊行され続け、3月末に発刊される次号が60号記念の節目となることは感慨深い。
 発刊当初の「文藝鷹栖」は、文化協会が編集していたが、「新郷土たかす」となってからは編集委員が主体であり、全ての責任を負うこととなった。
 編集長であった三輪真一さんは「時あたかも地方の時代。コミュニティの時代を迎えています。一村一品運動に見られる特産づくりは今後、郷土づくりへと志向します。郷土づくりの主体は、そこに住んでいる人々、一人ひとりです。」と記している。コロナ禍の現在、この言葉を復読すると、農村文化と心の豊かさを求める精神が甦るような感覚を覚える。
 昨年末に天国に旅立たれた藤原昭男さんも本誌を支えてきた功労者であり、鷹栖町文化賞贈呈式の席上で「文化というのは、生活の足跡を記したものである。先人たちの記録を後の世代に残すことも大切にしたい。」と語られている。緊急入院された翌日がしめ縄飾り教室で講師をする予定であったと後日伺い、人生最期の一日まで人のために、後世のために捧げてこられた藤原さんの人徳に敬服するばかりだ。
 諸先輩の希望を真の心で受け止め、たとえ時代が変革しようとも、人と人が織りなす文化の灯りを守り育てることを約束したい。

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