頼もしい担い手農家(広報5月号の町長コラム)

更新日:

  • Twitterでツイート
  • Facebookでシェア

新緑がまぶしいこの季節、水田には大雪山の雪解け水が入り、農作業も本格化を迎える。
今年も希望を胸に5組の新規就農者が経営者として、新たなスタートを切った。
町の農業交流センター「あったかファーム」を卒業した4組は、特産のキュウリ農家として、残る1組は農業後継者のいない経営体で2年の研修を終え、稲作農家として営農を開始する。それぞれが研修期間中に専門的な技術を学んだが、今後の抱負を伺うと「農業は決して一人では成長していけないと感じた。これからも師匠から学んだことを糧に、地域や先輩、仲間からさまざまなことを教えていただき、みんなと一緒になって地域と農業を盛り上げていきたい」と力強く語っていたことが印象的であった。
明治18年に岩村通俊(後の北海道長官)一行が、近文山の山頂から(鷹栖町と旭川市江丹別境界)未開の上川原野を国見して、豊かな平地を眼下に上川開発を決意し、国見の碑を建立したと鷹栖村史に記されているが、新たに独立した5組の方々も家族を養う生活の糧を農業へと変えるには、相当な覚悟と行動力が必要だったであろう。
世はコロナ禍であり、家族で過ごす豊かな時間が見直されている。生家が農家であった私にとっても、常に自然と向き合い、早朝から夜遅くまで働いていた親の姿は、歳を重ねれば重ねるほど、その尊さが身に染みる。
新たな担い手が肥沃な農地を育て、日々の生活が地域の将来を明るく照らすことを願っている。

画像
画像
ページトップへ